ロゴ
 このサイトはリンクフリーです。リンクの際は、原則としてTOPページへお願いします。
 その他、お問い合わせは下記まで(☆はアットマークです)。
kusamori_lib☆jcom.home.ne.jp

蔵書整理プロジェクト概要

■草森紳一の蔵書
 草森紳一は、蔵書家としても知られました。終の棲みかとなった門前仲町のマンションに遺された蔵書は、推定で約3万冊。帯広の生家に建てられた書庫「任梟盧(にんきょうろ)」に収められたものを加えると、その倍以上にはなると思われます。
 その蔵書を整理し、目録を作り、可能ならば寄贈先を探そうというのが、「草森紳一蔵書整理プロジェクト」です。

■プロジェクトの進行状況
 このプロジェクトは、草森紳一没後、遺族の方々の呼び掛けにより、基本的に有志の集まりとしてスタートしました。門前仲町のマンション内にうずたかく積み上げられた書物の山を、都内のとある倉庫へ移動させることから始まり、まずはあらあらの整理をしつつ、段ボール箱へ仕分けする作業に2か月かかりました。
 その後、目録作りの作業に取りかかり、現在でも有志の方々のご尽力により、作業は着々と進行しています。
 その間、2008年12月には、蔵書の存在と、その中身の多種多様さを世間へ発信すべく、ブログ「崩れた本の山の中から 草森紳一蔵書整理プロジェクト」をスタートしました。以下に、その初日の文章を転載しておきます。

■山に向かいて、目を挙ぐ。(2008年12月11日付ブログより 円満字二郎執筆)
 崩れかけた本の洞窟……。
 その部屋に足を踏み入れた瞬間、ぼくの頭に浮かんだのは、そんなことばだった。
 担当編集者としてお付き合いを重ねる中で、草森先生が膨大な蔵書をお持ちだということは、よく聞かされていた。しかし、それがこのわずか2DKのマンションの中に、このような形で収められていようとは!
 玄関にも、廊下にも、キッチンにも、もちろんトイレや風呂場にも。あらゆる場所に本が積み上げられ、今にも崩れんばかり、かろうじて危ういバランスを保っている。ご遺族の方によれば、それでも、すでに半分くらいは運び出したのだという。残りを運び出す手伝いをしながら、ぼくは、本というものがある一人の男の人生において持つ意味について、何度も何度も考えていた。
 その本たちは今、ある倉庫に運ばれて、おおまかなジャンル分けがされて、段ボールに詰められて積み上げられている。約700箱。推定、3万冊。その作業に、2か月かかった。でも、なんのことはない。マンションから倉庫へと、本の山が移動しただけなのだ。
 『マンガ考』『江戸のデザイン』『絶対の宣伝 ナチス・プロパガンダ』『写真のど真ん中』『食客風雲録』『荷風の永代橋』……。幅広いジャンルにわたって膨大な著作を残した「もの書き」草森紳一は、どんな本を読んでいたのか?
 蔵書の中に分け入ることは、その持ち主の脳内を探険することだ。
 ぼくたちはこれから、その探険の旅路で出会ったさまざまな本たちを、そうしてその本たちが教えてくれたさまざまなことを、紹介していこうと思う。

ブログ「崩れた本の山の中から」へ
崩れた本の山の中から

 

 

 

 

inserted by FC2 system